日本が世界に誇るサブカルチャーの代名詞、漫画。テクノロジーが言語の壁を壊し、世界展開が加速する!今日はその漫画の世界展開を助ける素敵なテクノロジーを紹介します。
コミック発行部数世界ランキング!日本の漫画は?!
皆さんは日本の漫画がどのくらい世界的に有名なのか知っていますか?以下、世界でのコミック発行部数ランキングです。(2020年時点)(出展:wikipedia )
Ranking | タイトル | 発行部数 | 国 |
1位 | ワンピース | 4億7000万部 | 日本 |
2位 | Asterix | 3億7000万部 | フランス |
3位 | Peanuts | 3億部 | アメリカ |
4位 | Lucky Luke | 3億部 | アメリカ |
5位 | ゴルゴ13 | 2億8000万部 | 日本 |
6位 | ドラゴンボール | 2億5000万部 | 日本 |
7位 | ナルト | 2億5000万部 | 日本 |
8位 | 名探偵コナン | 2億3000万部 | 日本 |
9位 | The Adventures of Tintin | 2億部 | フランス |
10位 | Spike and Suzy | 2億部 | ベルギー |
一目見てわかるようにTOP10のうち半分が日本の漫画です。特に1位のワンピースは、2位に一億部の差をつける圧勝ぶり。また日本の漫画の海外市場だけで、1400億円もあります。
しかしそのうち、日本の漫画家に入ってくるお金は10%以下。なぜでしょうか?それは各国言語翻訳、販売チャネル、物流などが間に入るからです。特に多言語翻訳が、漫画の世界は、他の出版物と比べても大きな負担になります。どうしてか?
漫画には、現実世界には存在しない専門用語や設定が存在します。また文字のフォントも綺麗に整っているものばかりではありません。このような理由で、ある程度の訳者のレベルや知識が必要になり、翻訳の難易度も高いのです。
ではどうしたらもっと正確に、早く、効率的に日本発の夢と希望を届けることができるのでしょうか?
その問いにテクノロジーでアプローチする素敵なサービスを紹介します。
漫画自動翻訳サービス「MANTRA」
サービス内容
以下の2つのサービスを提供しています。
1:ビジネス向け翻訳支援サービス「MANTRA ENGINE」
漫画専用多言語翻訳エンジンの提供。わかりやすく言えばGoogle翻訳の漫画特化版のようなものを提供し、出版会社や配信サービス会社の内部での翻訳作業の効率化をサポート。
2:多言語漫画プラットフォーム「MANTRA」
世界中の言葉で漫画を読める夢のようなプラットフォームの提供。
*現在は試験配信が終了し、作品の掲載が一時中断されている。(2021年1月現在)
何がすごいの?
よくある自動翻訳エンジンやサービスと比べて、すごい点は、以下の3つです。
- 原稿の吹き出しを直接読み取る
- 文字の傾き、変形、特殊なフォントにも対応
- 漫画専門対話コーパス
1つ目は、原稿の吹き出しを直接読み取ること。これは人間であれば、比較的簡単にできそうですが、機械翻訳となるとそうはいきません。普通の機械翻訳は、対象となる文字を抜き出し、整理して機械翻訳に渡してあげないといけません。
コマやページによって異なる吹き出しの形やフォーマットを瞬時に把握し、セリフを抜き取るというのは、なかなか他のサービスにはない機能です。
2つ目は、文字の傾き、変形、特殊なフォントすら認識できること。こと漫画においては、見た目のインパクトや感情などを表すために、大小さまざまなフォントが使われ、文字の並びも小説のように一列に綺麗に並んでいるばかりではありません。それら一つ一つを正確に文字として認識する技術は、すごいですね!
3つ目は、漫画専門対話コーパス。対話コーパスとは、簡単にいうと
りんご=Apple(名詞)
というように、単語と意味やその他の情報(品詞の種類など)を他言語のそれと紐づけているデータベースのようなものです。これにより漫画の世界の中にしか存在しない概念(例:バトル漫画の技名など)も一回登録をしておけば、その後はそちらを使い翻訳ができます。
この対話コーパス自体は、どの機械翻訳も実は多かれ少なかれ実装しています。しかし、現実の言葉すら何万語とあり、いまだに完全な対話コーパスは存在せず。次々と特殊で新しい言葉が生まれる漫画の世界に特化した対話コーパスを作るというのは、これを専門特化しないと不可能に近いでしょう。そういった意味で、いろんな単語をとりいれ育った対話コーパスデータベースは、資産的価値があるとも言えます。
まとめ
自動翻訳の世界は、すごい勢いで成長を続けて、ここで紹介した漫画専門自動翻訳以外にも様々なサービスが世の中には多く存在します。文明が車や飛行機などで移動時間を短くして、移動の壁を低くしたように、自動翻訳が言葉の壁を下げてコミュニケーションを活発化させるのは時間の問題ではないでしょうか?
日本の漫画は海外でも英語でもMANGAと通じます。酒(Sake)や侍(Samurai)などと同じく日本文化から生まれた英語に仲間入りするほどくらい、有名でニーズも高く広く認めらたサブカルチャーです。
子供だけでなく大人にも愛され、夢や冒険の世界を見せ続ける質の高い日本の漫画。テクノロジーとの組み合わせで言葉の壁が下がれば、日本発信で飛躍的に大きな影響を世界に与えることが可能になる。そんな素敵な未来の実現をサポートする素敵な素敵なテクノロジーの紹介でした。
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