今回は、CES2021にて発表されたテクノロジーのうち、コンピューターハードウェア&コンポーネントのカテゴリーで見つけた面白い、素敵なものをピックアップ。
CESって何という方は、下の記事をどうぞ。
コンピューターハードウェア&コンポーネント分野について
社会インフラを支えるようなスーパーコンピューターと呼ばれるようなものだけではなく、私たちが普段使っているPCものすごい速さで進化をしていますよね。
個人的には、新しく便利なテクノロジーは歓迎なのですが、提供されるサービスやデータ処理量が上がるので、携帯やPCなどのハードウェアも大体3年スパンで、故障をしていなくても買い替えしないと遅くて使えなかったり、使いたいサービスが使えなかったりするのが、お財布的に苦しいジレンマもあります。笑
この分野では、PCなどのハードウェアとそれを構成するCPUチップなどのコンポーネント(部品)における2021年最新情報を紹介します。
CES2021注目アイテム(コンピューターハードウェア&コンポーネント編)
AMD Ryzen™ 5000 Series Processors
まずはAMDのRyzen 5000 Serise Processors。こちらのDesktop用は、CES2021のBest of Innovation Awardにもノミネートされている優れもの。CPUで有名なAMD(Advanced Micro Devices Inc.)の最新デスクトップ用プロセッサー。おそらく自作パソコンやゲーミングPCなどを使っている人は名前を聞いたことがあるかと思います。
CPUとはパソコンの脳に当たる部分で、さまざまな機能の制御だったり、演算処理を担っています。つまりこの性能が高いほど、一般的には早く快適にパソコンが動くということです。(もちろんこれだけで決まるわけではないですが)
以下、デスクトップとモバイルPC用の発表された最上位のモデルのスペックを一部紹介します。(比較対象に現在の私の使用PC(Mac book Pro 2020年モデル)とも比較してみましたが、全くお話になりません(苦笑))
基本スペック(Ryzen 5000シリーズのデスクトップとモバイルPC用の最上位のみ)
Model | コア/ スレッド数 | クロック周波数 Boost/ベース(GHz) | キャッシュ(MB) | 消費電力(Watts) |
---|---|---|---|---|
AMD Ryzen 9 5900 (デスクトップ) | 12コア/ 24スレッド | 最大4.7/ベース3.0 | 70 | 65 |
AMD Ryzen 9 5980HX (モバイルノート) | 8コア/ 16スレッド | 最大4.8/ベース3.3 | 20 | 45+ |
Intel Core i5 (Mac book Pro 2020) | 4コア/ 8スレッド | 最大3.8/ベース2.0 | 6 | 28 |
コア数とは、CPUをキッチンに例えると、調理人の数です。人数が増えるほど、同時にこなせる量が増えます。スレッド数とは、調理人一人当たりのコンロの数です。一人で扱うコンロが多ければ多いほど、こちらも多くの作業をこなすことができます。
クロックス周波数は、同じく例えると調理人の仕事の早さです。この数が高ければ高いほど、早く仕事をこなします。
キャッシュメモリは、例えるなら調理人が一時的に覚えておけるオーダーの数です。これが少ないと毎回次は何が必要なのか?前に聞いていてもまたウエイターに確認しに行かなねばならず、時間がかかります。
消費電力は、もう説明の必要もないかと思いますが、消費する電力ですね。(そのまま)キッチンに例えると、調理人の時給というところでしょうか?時給(電力消費)が少ないほど、同じ賃金(バッテリー残量)でも長く働いてもらえます。
デジタルコンテンツ制作やデザインなどのビジネスにおけるPC利用においても、競合のCPUと比較した際の大幅に作業効率が上がることをCESのプレスカンファレンスでも、CEOのLisa Suが力強く唱えていました。5Gによる高速データ通信が可能になる今後、その大量のデータを処理するCPUの性能も飛躍を求められることになるでしょう。これは、そんな未来の生活を支える素敵なテクノロジーのうちの一つだと思います。
ゲーミングPCだけではなく、CGI制作やAIの演算処理など、いろんな分野に必要とされそうだね。お金があったら、僕も欲しい。。(宝の持ち腐れ)
Spatial Reality Display
お次は、Sonyから発表されたSpatial Reality Display。Spatial Realityとは、空間再現という意味らしく。簡単にいうとめちゃめちゃリアルな3Dディスプレイです。従来も3Dを2Dのディスプレイ上で表現しているものはあるものの、このディスプレイは、まるで本当にその映し出されているもの自体がそこにあるかのように錯覚するレベルとのこと。
VRのように何か特殊なゴーグルをつけなくてはいけないなどのようなこともなく、裸眼で立体的に見えるこのディスプレイ。実際にどんなものか見てみたくて紹介動画を見てみたものの、ぶっちゃけ動画ではいまいち立体感がわからなかったです。
しかしながらその仕組みを聞いて納得。このSpatial Reality Displayは、みている人の目の動きや位置をセンサーで認識し、左右の目にそれぞれ別の映像を映し出すことによって立体的表現を可能にしているとのこと。みている角度によって、映し出している映像を変えるので、実際にそこにあるかのように光の反射も変化し、質感なども再現できるというから驚きです。
実際に本物を見てみたいなぁと思っていたら、既にソニーストアで販売開始されているようで、お値段は500,000円(2021年2月現在)こりゃ一般に出回って、実物を見れるようになるまで、少し時間がかかるかも。。
今後は、VR/ARやCGI業界や、製造業のデザイナー、展示会やショールームでの活用などが想定されているようです。ぜひ早く実物をこの目で見れる時が来ますように。
ホログラムよりもより鮮明にあたかもそこにあるように見えるみたいだね。対象者の目の動きを追って、裸眼で立体視を見せるのは、すごいけれど、逆に多くの人に同時に見せたい展示会などでは、そこは改善点かも。
Lume Pad
最後に、こちらも先ほどと同じように裸眼での立体視を可能にしたデバイス。その名もLume Pad。
Leia Inc.が提供しているもので、DLBという特殊な光学レイヤーを追加することにより、3Dの深度、奥行きなどの表現を可能にしています。こちらは映像でもある程度感じることができました。デモ映像は以下をご覧ください。
すごいですよね。動画越しでもわかるくらいだから、実際の画面はもっと綺麗なんだと思います。先ほどのSONYのSpatial Realityの両目の動きをセンサーで把握してみたいなことはないですが、一枚のレイヤーを入れることで、こんなに平面の中に空間が広がっているように感じるなんて。
既に発売もされており、お値段は米国で999ドル。ちょっと高いですが、先ほどのSpatial Realityと比較すると、まだ現実的なお値段かも。
いずれ写真なども全て立体的に、保存、確認が当たり前になってくるのかもね。それが本当に必要かは、これから見極めていかないとだけど。
まとめ
今回紹介をしたもの以外にも、もちろんこの分野はノートパソコンなどの、良いものが多く出展されており、日本だとそこまで主流ではないかもしれないけど、ASUS, HP, MSIなどが多くのInnovation Awardにノミネートされています。個人的に使っているのは、MacとSurfaceという本当に無難なセレクションなのですが、コストパフォーマンス次第では、次はそれらのブランドを試しても良いかなと思うほど、面白い物もありました。
PCはどんどん高性能になっていくけれども、どんな道具も使い方次第だと思うので、何にどのように使うのか?スペックに目を奪われるのではなく、それがもたらす価値に目を向けることが重要であることを忘れないようにしたいですね。
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